- 作者: 河合隼雄
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1978/01
- メディア: 単行本
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「時間も空間も何とつかみどころのないものだろう。一体、この空間の「端」はどこなのだろう。時間の一番始めの「はじまり」はどこからなのだろう。」
「時間の所有に関しては、先ほどの小学生のように、不公平を嘆かずにすませられそうである。」
「時間だけは、誰もが「自分のもの」であると主張しても、他人と取り合いをしなくてもよいものなのである。
しかし、困ったことに「私の時間」は勝手にどんどん逃げ出してしまうのである。」
「何かに熱中していたが、何かで中断しなければならなくなったとき、「また、あしたにしよう」と言うのは、このことを言うことによって、中断することを自らに納得させようとする意味合いで言っている子もある。この場合の「あした」は、二十四時間の経過後に存在する時期などではなく、断念しなければならないという気持ちと、何か希望を残しておきたいような気持ちの交錯した現在の状況をのべている表現なのである。」