- 作者: 上野千鶴子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1992/06
- メディア: 文庫
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「テレビのクイズ番組で「100人に聞きました」というのがあった。この番組は、回答の基準を「真・偽」から「妥当性」(もっともらしさ)へと変えた点で、まったくエポックメーキングだった。」
「この鏡は、他のすべての人々を映し出すが、自分自身だけは映さないとくべつな鏡だった。このメカニズムは、対人関係そのものだ。人間は他人の顔は見えても自分の顔を見ることができない。顔にスミがついていたら、それを笑って教えてくれるのは、他人の反応だけである。「一般大衆」という言葉は、大衆が大衆を認識するメカニズムを、目に見えるかたちで大衆自身に示して見せた。その自己言及性に、大衆は、自分自身に回帰する笑いを、無抵抗に笑うしかなかったのである。」