- 出版社/メーカー: クロックワークス
- 発売日: 2006/06/23
- メディア: DVD
- 購入: 3人 クリック: 306回
- この商品を含むブログ (86件) を見る
そういえば2000年代前半は「アメリカで肥満は富の象徴だから」なんて言ってるとインテリになれた時代だったような気がします。
ドキュメンタリーとしてはしっかりB級なんだけれど、見終わったあとに思わず「ファストフードってこわいね」「1ヶ月食べるとうつになりそう」とこぼしてしまいそうな、そんな風に思わせるエンターテイメント性・キャッチーな要素も多く含んでいるので、編集が上手なんだろうなあと思います。題材が題材なだけに落とし所がぶれていないんですね。単純にカロリーの大きさに関する論議なんかよりは、マックの"広報"の部分やロビー戦略なんかについて触れていたところが興味深かったです。
もちろん映画に映っていた事実は、あくまでその枠内で起きたことに過ぎないので、万人が同じ症状を訴えるとは限らないです。完全なネガティブキャンペーンであることは眼に見えています(「上質なプロパガンダ」と言えるかもしれない)。なので具体的な数字や病名はあまり参考にならないかもしれません。ですがそういった「アメリカ社会と肥満」に対してはファストフード業界やマクドナルドがどんな対応をしよう(流そう)と考えていたのか――さほど重要なことだと捉えていなかったという結論になるのかなと思うのですが――そのあたりを感覚で知ることができるのが良いところです。
1つのモデルケースでしかないとはいえ、わずか1ヶ月ほどで人がどれほどに変化していってしまうのか、健康を失うとはいったいどういうことなのか、改めて"日常"だったり"体調管理"の大切さを考えるきっかけになる、価値の大きな作品でもあると思います。これに対する「事実とは違う」という申立は本筋からずれている気がします。
そういえば昨晩は数カ月ぶりにマックで食べた(本当に偶然)なあとか、思いつつ。しかも炭酸100円につられてZEROコークのMも飲んじゃったりして。