"A LA FOLIE... PAS DU TOUT"
- 出版社/メーカー: レントラックジャパン
- 発売日: 2003/09/26
- メディア: DVD
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『アメリ』で有名なオドレイ・トトゥが主演の、「恋する女の子スリラー」。
愛らしいパッケージのデザインと、バラとハートから始まるオープニングのかわいらしさに惹きこまれていくうちに、物語は進んでいき。
ネタバレとか。
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「世にも奇妙な物語」はこういう路線が狙いなんじゃないかな、と思う。
まず、作品としての完成度がすばらしいです。1秒1秒の描写や伏線をきれいに回収しているし、画面の明るさ(絵的にひどいことが起こるのは昼間=ホラーではない)と残酷さのバランスが心地よいくらいで、上映時間中に飽きることもありません。トトゥの笑顔が素晴らしいくらいに病的だったり。ラストも妙です。
個人的な感想としては、ロイックが不憫でならなかった。ラシェルとの愛で見てる私が救われた。この映画はアンジェリクの一途すぎる愛がメインストリームだと思うけれど、その裏側で描かれるロイック・ラシェル夫妻の愛や、ロイックの一途で誠実な姿勢を見逃す訳にはいかない。だからこそタイトルの「愛してる、愛してない…」この対比がいきてくるのだと思う。
アメリも似たような系統(強烈な恋愛感情)の作品だったとは知らなかった(もっと平和な感じだと思っていた)けれど、言われてみれば、この前観た「引き裂かれた女」もそうだけどこういう男女の「もうどうしようもないストーリー」こそがフランス映画だとも言える。それにしても、たとえ(受け手には)意味がわからないままでもぽんぽんぽんと話を進めていくその強引さには惚れる。皮肉ではなく、そういった作品の登場人物はといえば、どこまでも人間味があるんだから。*