Bi-Bo-6

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日常のあれこれ

マジェスティック - フランク・ダラボン監督

"The Majestic"

マジェスティック 特別版 [DVD]

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2001年/アメリカ/英語


出演
ジム・キャリー


★---


「ルークが"降りた"」瞬間。
そういえば監督は「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」も手がけた方らしいですが、徹底的に「人のあたたかみ」で包み込むあたりにこだわりを感じるというか、この映画の中で最も「救い」となる要素でしょう。何度もうるうるしてしまいます。
カメラワークなんかはとても優等生なのだけど、出演者のアドリブ(演技というよりは、その状況だったら「人ってこうするよね」的な自然に則った動作)が上手で印象的でした。そういうリアリティが作り手側の作品への愛着(真面目さや楽しく望んでる姿)を映しだしているのかもしれません。


ただちょっと、ピーターとバレたあとのみんなの様子→ピーター演説後の帰省で大歓迎は、もちろん住民の総意が「ルーク(ピーター)は希望である」といえ、日和見的で説得力を感じませんでした。ただ一方ではそれがアメリカの寛大さの表れ、なのかもしれません。ルークにそそぐ愛情・期待が多大だからなおさら、という感じ。その中でもボブはいい感じだった。最後の笑顔も素敵だった。


映画の中で「映画の素晴らしさを語る」このパラレル感が好きです。(「メタ」って言うらしい)「近頃の子供は楽だからって、座ってテレビばかり見てるのか?ドレスアップしなくていいって?それで娯楽って言えるか?他のみんなは?オーディエンスは?」


共産党員疑惑の諮問会に関しては、西海岸で「ハリウッド・テン」という実在の赤狩りが行われていたということで、やはりエンターテイメント界はお金も人の心もよく動く世界なのだなあと感じます。
特に後半の「合衆国憲法」についてのくだりでは、「アメリカ」という国が「理想を共有し、理想を追いかけ、理想に集う人々を受け入れる」土地なのだ、という意思を強く感じます。国民国家ではなく「思想による建国」の真骨頂です。


映画館復興という意味ではゼロダテアートプロジェクトの「オナリ座(御成)」再生計画を思い出します。*