- 作者: 大沢仁,石渡嶺司
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/11/14
- メディア: 新書
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これと一緒に「<就活>廃止論」も買っていたんだった。本棚に眠ってました。
- 採用する方もアマチュア。実際に学生の才能を見抜けて判断できている面接官が何人いるだろうか。
- 就活情報系ビジネスの実態。すべての活動は「企業の宣伝」の一端である。
メインはこんなところ?
「踊らされてる」学生も企業もどっちもどっちだね、という皮肉が散りばめられています。
なにがびっくりかって、2008年の本だということ。ここで示された現実が2010年になってもまったく変わってないということ。
それでも、その頃に比べたらTwitterの普及率はおそろしいものだし、インターンをする学生の割合もおそろしく上がっただろうし、12新卒のムーブメントの中ではまたちがう渦が見えてくるかもしれない。
今までの学生は、会社に入っておとなしく従っていれば、会社が「未来」を保証してくれていた。ここまではよく聞く話。で、そういうのが崩れてきた今になったとして、採用する側は、そもそも自分たちが今の学生たちのような凝った「自己アピール」を考えて入社してきてるわけじゃない(少なくともバブル世代の話を聞くところは)から、そもそも「優秀な学生」という「基準」からして、本当はわかっていないまま、でもいろいろと学生に接触したり学生のトレンドを覗いたりして、線引きしなくてはならない。
だけど「優秀な学生」っていう言葉からしてちょっとおかしい気がしてくる。その次元の話をしたいのなら「学生」というよりは「人」という言葉が適切だとは思うんだけど、どうなの。「学生」という言葉で暗に限界を示唆してるっていうか。「ここまでしかできないだろう」みたいな。で、その壁を壊したくてミニビジネスマンみたいなのが、いっぱい。もちろん、社会人に近い感覚で生活していこうって考える学生が増えたことが一概に悪いことじゃないとは思うけど。
「就活」という現象のあるあるを切り取って、切り落としていく。マニュアル本とかバカバカしいよね、という論調。
かすかに思ってた「今の就活のシステムって何かおかしいんじゃないの?」の「何か」を鮮明にあぶり出してくれる本かもしれません。
ただ、いまいち痛快とまでは言えない…なんでかなあ。