Bi-Bo-6

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日常のあれこれ

☆ヴェニスの商人の資本論 - 岩井克人

ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)

ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)

「"The proof of the pudding is in the eating."すなわち、プディングであることの証明はそれを食べてみることである。だが、分業によって作る人と食べる人とが分離してしまっている資本主義社会においては、プディングは普通お金で買わなければ食べられない。(河津に食べてしまったら、それは食い逃げか万引きである。)プディングがプディングであることの証明、いや、プディングがおいしいプディングであることの証明は、お金と交換にしか得られない。」
「資本主義社会においては、人は消費者として商品そのものを比較することはできない。人は広告という媒介を通じてはじめて商品を比較することができるのである。」
「広告と広告のあいだの差異――それは、広告が本来媒介すべき商品と商品とのあいだの差異に還元しえない。いわば「過剰な」差異である。」
「言語についてソシュールは、「すべては対立として用いられた差異にすぎず、対立が価値を生み出す」と述べているが、それはそのまま広告についてもあてはまる。」