WIRED (ワイアード) VOL.1 (GQ JAPAN2011年7月号増刊)
- 出版社/メーカー: コンデナスト・ジャパン
- 発売日: 2011/06/10
- メディア: 雑誌
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こういう一貫性のあるメッセージのもとに編集されてる雑誌は各コラムを読んでいても気持ちが良いです。Change is Good.
渋谷慶一郎
「最近いくつかの新譜を聴いて気づいたのはヘッドフォンで聴いているときは面白いのだが、それを買って家のスピーカーで聴くとそれほどでもないことが多いということだ。しかしどれも力作であり傑作であることは分かるので、これは最近の音楽の作り方やミックス、マスタリングがスピーカーではなくヘッドフォンにチューニングされているのかな?と思ったわけだが、どれもそういうことではないことに気づいた。当たり前だがヘッドフォンは「この世界」と自分を切り離す装置である。〜ヘッドフォンで聴いて面白い音楽は結構ある。しかしスピーカーで音楽を聴くとき、その音楽は「この世界」に放流されている。この世界、というのを日常と言い換えてもいいだろう。かつて日常は終わりがなく延々と続くものとして認識されていた。それに対して音楽には必ず始まりの音と終わりの音がある。ゆえにコンサートは日常に対する非日常の時間、BGMは延々と続く日常に句読点を打ったり打たなかったりするものという、いずれも日常の対立項として存在していた。」
「ルンバ」は、部屋にある障害物をすべて把握しないし、それらを最も効率的な方法で避けることもできないが、どうやったら動き続けることができるかは分かっている。
ソーシャルメディアのなかで私たちは「本のように」読まれることになる。
「Facebookは参加者全員で書いている小説だ」「自己演出された読みやすさ」「自分自身の独自性を世界中に知らしめたいという欲求を原動力としている」
細野晴臣
「作曲は、つくるというより思い出す行為に近いのではないかと最近は感じています。寝ているときに見た夢を思い出す感覚に近い。夢の断片を思い出した時のうれしさに近い喜びが作曲にはあるんです。ものをつくる人は、みんなどこかにそういう感覚をもっているんじゃないかな」
「思いもしなかったものを買わせる」「グルーポンは消費者をバーゲンジャンキーにすることで利益を生む。」「フェアに見るなら、商品の価格決定権の一部を消費者にゆだねるという点で画期的ではある。「安く買う」は現代消費者にとってこのうえない美徳であり、価格を生産者と小売店が一方的に決定することの不公平をかこつなら、価格決定権の奪取は消費者の夢の革命的実現とさえいえる。」