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日常のあれこれ

NEWSWEEK '10 3.17

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2010年 3/17号 [雑誌]

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2010年 3/17号 [雑誌]

指導力の欠如は、あの大統領と外相を選んだ加盟国の責任でもある。加盟する大国はEUへの本格的な権限移譲はしたくないのが本音。EUでは往々にして、集団の利益より国益が優先される。」「力を象徴するのは人ではない。カネ、兵器、政治的意思、外交的影響力だ」
「インドにとってイスラム教徒が多数派を占めるカシミール地方の領有は、イスラム教徒と多数派のヒンドゥー教徒が共存する世俗的な国家の姿を示すのに必要だ。パキスタン側から見れば、カシミールを領有することでイスラム教国として誕生したパキスタンの正当性が承認されることになる。」


「驚くべきは、この成長の主たる原動力が原油やダイヤモンドなどの資源輸出ではなく、内需の急拡大だということ。アフリカの内需の規模は、中国とインド以外の新興国中で最大。過去4年間のアフリカのGDP成長の3分の2は、モノやサービスに対する民間消費の急増によるものだ。」「国外留学組が企業のために帰国して、国外からさらなる人材と資本を引き寄せたように」
「スイスではさまざまな民族と言語と宗教、農民と銀行家と技術者が独自の形で融合し、ほかの国なら分裂につながる要素を比較的うまく調和させてきた。世界経済フォーラムの年次総会がダボスで開催されるのは偶然ではない。スイスは長い間、グローバル化の推進派にとってモデル国家の役割を果たしてきた。」「スイス人はよく、自国を「意思による国家」と呼ぶ。共通の言語や文化ではなく、国民の意思によって築かれた国という意味だが、今のスイスには事故改革の意思が感じられない。」「多くの国民が国際社会との関わりを避けたいと願う一方で、スイスが昔から維持してきた中立性は急速に失われつつある。20世紀のスイスはファシズム共産主義を拒否したが、他国と同盟を組むことも避けてきた。中立を維持すればあらゆる国との接触を保ち、利益を上げることができるというのが理由だった。」「実際には、スイスは自由市場と民主主義の西側陣営にしっかりと組み込まれていた。だがアメリカやEUの大国、ロシア、中国などが影響力を競い合う現在の無極化した世界では、スイスの永世中立は意味を持たなくなっている。」
「カナダ、オーストラリア、アメリカのように、もっと開放的で、流動性の高い社会を築けば、ヨーロッパは反映するだろう。だが日本のように移民への門戸を閉ざし、移民を社会の一員として受け入れようとしなければ、経済が縮小し、排外主義的な空気が社会を覆い、衰退する運命を甘んじて受け入れるしかなくなるだろう。」「カナダは専門技能を持つ移住者に短期間で永住権を認めるなどの措置を導入して、教育水準の高い移民の呼び込みに成功した。カナダにやってくる移民に占める修士号・博士号保有者の割合は、カナダ生まれの人の2倍に達している。」「移民はそれ以外の住民に比べて犯罪を犯す割合が高い(ただしその原因は、彼らが外国人だからではない。移民には貧しく、教育水準の低い人が多いからだ。)」
「外国旅行とは一種のスタンダール症候群的体験だ。代わり映えのしない日常で鈍った感覚は、新しい環境の刺激で目覚める。旅行者は美をむさぼり、酔いしれる。観光ガイドが紹介する美術館や遺跡を律儀に訪れるのは、その恍惚感を手に入れるためだ。」
「家族に手を掛けるのは、圧倒的に男性が多く(統計では95%)、白人と中年が多数を占める。男として自信が持てず、子供時代に虐待を受けていた例が多い。幼児期に無力感にさいなまれたせいで、多くが家族を徹底的に支配しようとし、自分が経験したことのない理想の家庭を築こうともがく。経済が低迷すると仕事は減り、緊張は高まり、絶対的な支配力が揺らいでしまうというわけだ。」「家族を手に掛ける殺人者は「支配型」か「思いやり型」に分類されるという。」
「宗教は、文明的な生活のごく初期に存在していたようだ。シュミットの見方が正しければ、文明が誕生する前からあったことになる。だとすれば、文明が宗教を生んだのではなく、宗教が文明を生んだとも考えられる。宗教は啓示によって生まれたのではなく、人類に備わっていた遺伝的形質だと理解できなくもない。」
「ハチャメチャと風刺はちがう」