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日常のあれこれ

NEWSWEEK '11 1.19

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2011年 1/19号 [雑誌]

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2011年 1/19号 [雑誌]

イスラム教が国教のエジプトだが、コプト派のキリスト教徒も人口の10%ほどを占める。彼らはこれまでも暴力や差別の対象になってきた。」「米国務省の報告書は、エジプトのキリスト教徒は公職への就職や協会建築などで不利益を受けていると指摘している。これまでイスラム教徒と対立してきたキリスト教徒の怒りは、今や政府に向かっている。」
OPECは08年末に減産を決めて以来、生産目標を据え置いており、ロシアはそれを利用して原油市場シェアを拡大してきた。〜1月1日には東シベリアと中国の黒竜江上省を結ぶ石油パイプラインが稼働を開始。今後20年間は毎年1500万㌧を中国へ送る。」
エストニア旧ソ連圏としては初のユーロ加盟国。EUやNATOにも加盟しているエストニアには、ユーロ導入によって親欧路線を強化する狙いがある。バルト三国のうち残るラトビアリトアニアも2014年の
ユーロ導入を目指している。」「国民の約半数がユーロ導入に懐疑的。首都タリンでは、トラブル続きのユーロを沈没した豪華客船に例えて「タイタニック号にようこそ」と書かれたポスターが貼り出された。」
「雇用統計の「失業者」は「求職者」を意味する。昨年12月には、職探しを諦めたり、定年退職するなどした26万人が統計の対象外になった。雇用増の背景にはこのマイナス分がある。」

「アメリカ、イギリス、ポーランド、韓国では国民の約半数がSNSに登録。フランス、スペイン、ロシア、ブラジル、トルコ、アルゼンチンでは約3分の1だ。ネットがそれほど普及していないアフリカ、中東、南アジアでもネットユーザーの大多数がSNSを活用している。(インドではネットを使う国民は16%だが、その75%がSNSに登録している)。
他方、ドイツと日本ではネットユーザーの35%ほどしかSNSに参加していないが、
この2国でも若者に限れば状況は違う。ドイツでは30歳未満の86%が、日本では10代〜20代の63%が参加。SNSの利用者は世界各国で18〜29歳に集中している。そんななか、特に10代の利用で懸念されるのは、プライバシーの侵害やネット上でのいじめだ。」
「タンブラーCEOのデービッド・カープの来歴は、企業経営者としは一風変わっている。15歳で高校を中退、育児情報サイトの仕事で東京で働いた後、出身地のニューヨークに戻ってタンブラーを立ち上げたのが20歳、07年のことだった。」
「政治家の発現をひたすらパソコンに向かって狂ったように打ち込む−−そこに分析や思考、洞察といった知的作業はない。」「彼らは演説者の表情の変化や聴衆の反応といった情報を見逃している」
「「代表たちの動きを知りたければNHKを追いかければいい、と当時われわれの間で話題になっていた」と、CNN北京支局のチアンは笑う。問題は、そこで思考が止まっていることにある。行き過ぎた現場市場主義で「現場に行って取材すればそれで終わり」と満足し、記者はニュースについて深く考える機会を自ら逃している。」「多くの日本の記者たちは夜討ち朝駆けの繰り返しで本を読む暇も、物事を考える時間もない」「取材相手と渡り合うための知見などない」「そもそもジャーナリストが完全に客観的である必要はない。取材対象の取捨選択や質問の仕方に既に主観は入り込んでおり、完全に客観的な報道をするのは不可能だ。その代わり記者はフェアでなければならない。しかし日本の新聞記者は客観性を標榜する一方で、フェアになることを忘れている。」「ネットの普及によって、最近は新聞各社が各紙の見出しと記事内容を印刷前にチェックすることができるようになった。その結果、見出しや記事が似通った内容になる傾向に拍車が掛かっている。」「変化のカギは新聞社や記者だけでなく、今までの硬直化したメディア環境を当たり前のものとしてきた読者側にもある。」
「なぜアメリカのジャーナリストたちは、あまり積極的にアサンジを擁護しないのか。大きな理由は3つある。第1に、客観報道と党派的中立性を極めて重んじるアメリカのジャーナリストたちは、特定の主義主張に肩入れすることを嫌う。多くの主要メディアが請願文や声明文への署名を禁止しているし、自発的にそういう自己規制をしているジャーナリストも多い。〜第2に、客観報道を重視する立場からアサンジの行動の動機に疑問を抱くジャーナリストも多い。今回の一件でアサンジを擁護すれば、ジャーナリストが客観性を放棄するという不適切な行為を容認するに等しいと、主要メディアの記者や編集者、プロデューサーたちは考えているのかもしれない。第3に、アサンジを訴追すべきでないと思っていても、ウィキリークスの手法に嫌悪感を抱いていて、公の場でアサンジを擁護することに消極的なジャーナリストもいる。」「(ジャーナリストたちは)アサンジの行動を(報道の自由の)範囲内と考えているが、アサンジの行動には賛同しかねると思っている」
「アメリカによる「読み間違い」の一例が、孫子兵法書に出てくる「兵は詭道なり」の解釈だ。アメリカでは一般に「あらゆる戦争の基本は(敵を)欺くことだ」と訳されているが、より正確には「戦争の本質は、敵を戸惑わせることだ」という意味がある。敵を欺くことはその手段の1つにすぎない。」「アメリカは戦わずして撤退していくだろう。だが中国はそれを軍事的手段によってではなく、経済や外交の分野で実現する。中国政府の実に抜け目ない計画だ」

抗生物質に耐性を持つ細菌に感染して死亡する患者の数は、アメリカ国内だけで毎年およそ10万人。」「世界初の抗生物質ペニシリンが実用化された1940年代から現在までの約60年間が、人類と細菌終わりなし戦いの「小休止期間」と見なされることだ。」「医療現場では、細菌が耐性を獲得するのを防ぐため、最新で最強の抗生物質は最も深刻なケースにだけ処方されることが推奨される。おかげで新薬の売り上げはなかなか伸びず、上向く頃には特許が切れ、より安価なジェネリック(後発)医薬品にとって代わられる。」
「医薬品が薬局の棚に並ぶまでには、必ず人体実験が必要になる。いわゆるフェーズ1〜3の臨床試験だ。ところがそれを実施する場所を、通販会社などのコールセンターと同時にアジアへ移す製薬会社が増えている。少ない報酬で実験台になってくれる人がたくさんいること、アジアの医療施設の質が上がったことなどが背景にある。」「アジアで最も臨床試験が多いのは中国と日本だが、実施の場所として欧米勢に最も人気のあるのはタイだ。」