Bi-Bo-6

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日常のあれこれ

NEWSWEEK '10 10.6

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2010年 10/6号 [雑誌]

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2010年 10/6号 [雑誌]

「2050年までにヨーロッパのエネルギーの15%が北アフリカと中東の風力、太陽熱発電で賄われ、モロッコ北アフリカ最大の太陽熱エネルギー供給元になり得る、と専門家は考えている。きっかえは08年の世界的な原油高騰。エネルギーの多くを輸入に頼るモロッコでは調達コストが2倍近くに跳ね上がり、国王モハメド6世は代替エネルギー開発を最重要政策にすると発表した。」「モロッコはヨーロッパにも近い。スペインとの距離は14㌔で、エネルギーパイプラインでつながっている。」
「50年代、ビルマミャンマー)とフィリピンは「東アジアの未来の経済大国」と宣伝されたが、そんな未来はいまだに近づいていない。60年代、2桁近い成長率を誇ったブラジルは新興国の期待の星と言われた。だがそれ以降は80年代初頭のマイナス成長もあり、成長率は平均4%弱だ。今となっては笑い話だが、70年代後半にはCIAがアメリカ政府に、投資率が高いソ連は10年後にアメリカを上回る経済大国になると警告したこともあった。劇的な成長を維持するのは簡単ではない。世界銀行などの支援を受ける成長開発委員会が発表している『経済成長レポート』最新版によれば、50年以降に年平均7%を超える成長を25年以上継続する「急速かつ持続的な成長」を達成した国はわずか13カ国。その中には中国のように当然と思える国もあれば、地中海に浮かぶ小国マルタのように意外な名前もある。」
「共通の敵が消え、アメリカとの同盟が最優先との合意も失ったヨーロッパの政治は、よりどころをなくしている。「ゲゼルシャフト(社会)」の政治から「ゲマインシャフト(共同体)」の政治へ移行するヨーロッパ各国では、極端な信条を掲げる人々から成る新たな共同体が生まれている。」
「イギリスは「生産性向上のための最新技術の活用に積極的な革新的な企業」を数多く擁すると指摘されている。企業の知的財産権の保護は万全で、司法の独立も堅持されている。企業は柔軟性のある労働法の下で、教育水準の高い従業員を確保している。少なくとも企業にとって幸いなことに、イギリスではドイツやフランスほど従業員の解雇が難しくない。」「高コストの短期国債への依存度が低いからだ。英国債の償還期間は平均13年で、ドイツやアメリカの倍以上。これも、エコノミストの意見に一喜一憂せずに済む理由の1つだ。」
「中国、インド、ブラジル、などの新興の大国が、グローバルな意思決定の場でより中心的な役割を果たしたいというのは正当な主張だ。しかしこれらの国々にその役割を果たす覚悟があるだろうか。自国の利害にとらわれず、大局的な視野に立って大国として行動できるだろうか。例えば通商問題で、エネルギー利用で、気候変動で……。それは望めない。多くの新興国が、地球の平和と安定を守る親分をきどりたがる。そのくせ、国益を追求する姿勢はエスカレートの一途をたどるのみだ。」


トーマス・ケラーに言わせれば、成功への秘訣は才能ではなく、細部への過剰なまでのこだわりと努力だ。」


バレリア・ルイセリ『偽りの身分証明書』は人と、空間の関係を描いたものだ。
ルイセリは、ニューヨークで感じる孤独感について、こう書いている。「ホテルや賃貸アパート、友人の家のソファや部屋のシェア……生まれ育った家以外の場所で過ごす夜が増えるごとに、自分のことがよく分かるようになる。」

「有意義で幸せな人生は、孤独から逃れた先にあるわけではない。」「常につながっている」という感覚は、不安や恐怖を忘れたような気にさせる。そして学生のように不安定なまま成長できない自分を感じ始める。