- 作者: 佐藤俊樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2002/05
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
「本が記憶のメディアだとすれば、残酷な結論だ。記憶に残るのは良い本ではない。売れた本である。個展がベストセラーになるのではない。ベストセラーのなかからしか古典は生まれてこないのだ。」
「機会の平等原理を掲げる社会には、他人を否定する強い力がひそんでいる。そして、その力があたかもないかのようにふるまうことで、その力で否定された人々をさらに否定しようとする。」
「これほどまでの軋轢と齟齬をうみだしながら、機会の平等社会への途を誰も捨てられない。機会の平等原理は、私が私であることの、いや私が私になることの奪われなさにつながっている。私たちのなかには、個であることの快楽と欲望があるのだ。」