- 作者: 樺山紘一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/05/16
- メディア: 文庫
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「しかしながら、わたしたちにとって、足脚はたんなる人体移動具ではない。〜足脚はひとつの表現手段ともなる。〜人間の体の部分は、それぞれのやり方で、本来の生態機能をはなれて、特有の表現言語をもっている。その結果として、ときには図像や彫像で形をあたえられた足脚は、表現規則というコードによって難解な思想や美を伝達することもある。
だが、それはまだ第一歩だ。わたしたちはさらに踏みすすんで、脚に象徴的な意味をあたえる。「脚を失う」という災難は交通事故でもおこるが、政治的クーデターでもやってくる。「失脚」とは、ひとつの象徴的言語表現でもある。おなじことは、「脚本」や「脚色」とかいった語にもみえる。」
ex.) イス・三脚
「道具はしばしば、形象と機能において人体の延長、もしくは写像である。」
「表現・象徴・道具」