Bi-Bo-6

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記憶を記録 feat. 宇田川藍

BS1スペシャル「欲望の資本主義2017 ルールが変わる時」

様々な角度から現代の資本主義が向かう先を考察していく構成は意欲的で面白い。
番組中で気になった言葉(意見)は下記の2点。

「ある物の価値が宿るところは、投じられた労働や物質ではない。価値は『欲望』と『満足感』が交わるところに宿る。」
共産主義だった国から来た身としては、共産主義政権を捨てて資本主義をインストールしていたころ、民主主義国家での資本主義は何よりも自由のためのものと信じていた。」
 ――トマス・セドラチェク(『善と悪の経済学』著者)

GDPは経済力を測るにはいい指標とは言えない。環境汚染、資源乱用を考慮に入れていないし、冨の分配も社会の持続性も考慮されていない。問題だらけだ。経済における成長の本質をこの先変えていくべきだと強く思っている。」
 ――ジョセフ・スティグリッツ(2001年ノーベル経済学賞

「テクノロジーは 経済を活性化するか、雇用を奪うだけか。そういうことは考えてない。そういう心配をするのは僕たちの仕事じゃない。僕たちは5億ドルを運用している。そのお金は 僕たちのお金ではなくて、出資するパートナーたちのものだ。彼らは自らの資本を僕らの透視に委ねてくれている。」
 ――スコット・スタンフォード(SHERPA CAPITAL CEO)


上記の中では一番最初に挙げたトマス・セドラチェクの言葉が最も印象的だった。
例えば私にとっては、規模は小さいながらも自分が旗を振って開発した商品に対しては「自分が割いた労力やコスト」こそが価値であり、それが収益によって還元されてしかるべきという発想に陥ってしまっていたけれど、これは全くもって馬鹿げた視点であるということに気がつく。もっと明白にユーザーの「欲望と満足感」を追求し、わかりやすく形にしていくことに注力していくべきなのかもしれない。逆に言うとそこまで昇華されない限り、価値はない(自己満足に帰結する)ということだ。

ジョセフ・スティグリッツはまあ、教科書通りな発言ばかりだったけど、これはこれで必要な立場だと思うし、「新しい指標が必要」という部分には同意する。そういう意味でも最も(経済)学者然とする安定した視座を感じた。

スコット・スタンフォードは、映画『ソーシャル・ネットワーク』の中でのマーク・ザッカーバーグのように多弁。「俺たちみたいなクレイジーなやつらはさ〜」という感じで、私達が大学のキャンパスに置き忘れてきた「躁状態」の塊みたいなやつだ。言ってることは面白い。