Bi-Bo-6

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日常のあれこれ

デビルズ・ダブル - リー・タマホリ監督

"The Devil's Double"

2011年/ベルギー/英語

デビルズ・ダブル」/100万バレルの富と欲ってかんじ。あたまからっぽにしていても、とめどなく流れこんでくる音楽や色づかいに挑発されっぱなし。ナンセンスもラグジュアリーも、あらゆる'生々しさ'を味わいつくせる映画です。みんな、「美しいけもの」という言葉がぴったり。
    ――https://twitter.com/#!/aimerci/status/146120110137032704
デビルズ・ダブル」/なんだか『スラムドッグ$ミリオネア』のお兄ちゃんにかぶる…。史実とフィクションの入り混じり方だったり、おそろしいほどリアルな描写だったり、とてもバランス感覚がよいと思います。鋭いけど苦痛じゃない。趣旨はちがうけどパルプフィクションや時計じかけと比べてみたいな
    ――https://twitter.com/#!/aimerci/status/146120110137032704


全体的に画面が金色です。きんきらきん。
ゴージャスな雰囲気に負けず劣らずとってもセクシー!!ハリウッドのシーンとは違う美しさが際立っていました(それにしても最近はステイ・フレンズ、抱きたい関係、ラブ×ドラッグ…みたいな映画が多いのはなんで?*1


絵的にショッキングなシーンが多くはありますが、「痛さ」と「真実」を描くバランス感覚がとても上手だと思いました。音楽の使い方がとても効果的です。どきどきさせる感覚は麻薬にちかい。有無を言わさぬ緊張感が快感になるんですね。その辺が中東という舞台の現状ともかぶり、独特の雰囲気。
また、1人2役といえばソーシャル・ネットワークのウィンクルボス兄弟の怪演が印象的ですが、今回のドミニク・クーパーの演技もかなりソリッド。「欲と力におぼれるウダイ」「紳士なラティフ」「ウダイを体現するラティフ」の演じ分けが見事。


トーリーというよりは、映像の持つきらびやかな輝きに酔ってしまって、
誰かと一緒に見るとちょっと興奮状態になるかもしれない。というか一人で観るのはおすすめしません。
そのあたり、スクリーンが似合う正統派エンターテイメントなのかも。


★---

善悪や正義という道徳的概念がわりと無に近くなっていくような感覚。大きな渦にのみこまれていく。
同じように暴力的な要素*2をふくむ映画は昔から多々あれど、そういう映像表現や当時の彼らが伝えようとしていたこととはおそらく違います。


人の欲望というのは、素面で見ると毛嫌いしてしまうのだけど、よくよく考えてみると直視せざるを得ないひとつの「真理」でもある。例えばの話、人の三大欲求が睡眠欲・食欲・性欲じゃなかったら、聖書の内容は変わっていたのかもしれない。かもしれないどころか七つの大罪なんて項目はまさにその分野に言及しています。
まあ欲があるのはわかっていても、エネルギーを最も注ぎたいと思うジャンルっていうのが人ごとに異なるんだと思います。そこを理解し合えたらすごく心強いよね…というのが持論。


映画とは話が逸れてしまいまいしたが、ぜひ頭をからっぽにして、ハリウッドとはまた違うおおいなるthe earthを体感してみてください*

*1:一説によると男性が積極的な映像はレイプだと思われるとか、噂で聞いたことあるけど。

*2:性的な描写や権力欲なんかも、ひとつの"暴力"的エッセンスかなと思えるが