Bi-Bo-6

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日常のあれこれ

プラド美術館所蔵 ゴヤ ――光と影 - 国立西洋美術館

久しぶりに西洋美術館!たしかレンブラント以来だと思う。
ゴヤといえば有名な絵画はたくさんあると思うけれど、


マドリード 1808年5月3日−プリンシペ・ピオの丘での銃殺』

『カルロス4世の家族』

特にこの2枚がとても好き。
よく「人の内面を描き出す」と評されるけどまさにそのとおりで、絵ひとつでこんなにも人柄を表現できる画家を私は他に知らない。
銃をつきつけられた人の、本当に怖そうで、でもどこかかわいらしい恐怖の表情だったり、微笑の中にかくされたその人の真の一面だったり。
シュルレアリスムのもつ「内の内」を抉り取るような、そんな感覚がたまらないのだけど、ゴヤの絵はもっとファンタジックで、でも真実の残酷さに正面から向き合っている様相が読み取れる。


宮廷画家という華々しいお仕事と、画集の<ロス・カプリーチョス>(気まぐれ)に込められた意味、人が自分を大きく見せることのばかばかしさだったり(逆にいえば「等身大」を最も感じる瞬間)、戦場がいかに残虐で圧倒的な狂気にまみれているかだったり、女性と男性の真の欲望だったり。一種聖書にちかいような、そんな気もする。人間の、自分勝手で、誇大であさはかで…でも一生懸命生きている"かわいらしさ"みたいなものを感じてしまう。


あかとみどり、そして肌色の絶妙なカルメンバランスにも惹かれます。
『アンダルシアの散歩道』

来年1/29までやっているそうなので、気になる方はぜひ。*