Bi-Bo-6

Bi-Bo-6

記憶を記録 feat. 宇田川藍

ステイ・フレンズ - ウィル・グラック監督

"Friends with Benefits"

2011年/アメリカ/英語


出演
ジャスティン・ティンバーレイクミラ・クニス


米国で公開当時からずっと観たいと思っていた作品。
男女で心を交わすってなに?みたいなことを嫌味がなくてかわいくて、でもちょっといい話にしやがって!な作品。
言われているように、目新しいトリックはないけれど、主演2人の相性がばっちりで、それを堪能するだけでも価値がある。
気楽に見れるデートムービーと言っちゃっていいと思う。ホリデイやラブアクチュアリーのようなファンタジーさは薄めで(それでもGQだとかヘッドハンターだとかNYからのLAだとかツッコミどころは多いけど)、よりは身近に感じられるよさがあるかも。
お酒飲みながらソファでぐでっとして観たい作品です。脚本のあて書きがなかなか秀逸なので、笑って楽しめます。


ネタバレあり


★---
まずは全体的な部分。カメラワーク、とくに会話の場面でのそれが印象的だった。予告編にも使われてるけど、聞く方の背中越しに撮ってるショットね。あれがかなり多用されてて、「なんでこの撮り方なんだろう?」って思ったけど、このアングルで見てるととにかく話者の表情がよく見える。2人とも目の美しさにとても惹かれるけれど、もちろん顔以外にもジェスチャーとか、距離感とか、そのあたりをまるごと「会話」と呼ぶのだなと感じる。思ってみればこの2人はつねに向き合って話してる。横並びになるのはベッドの上(とTop of The Rock)でだけ。とにかくその「向きあう(よく心理学的には敵対意識が芽生えやすいと言われるが)」画の多さに気を取られる作品でもある。ジェイミーの「私は対等でいたいのよ」という心情がよく伝わってくる。


ミラ・クニスブラック・スワンで知ったけど、ドラッグを使った一晩のシーンがすごく印象的だった。あのときはかなりセクシーだったよね…。作品上で、ナタリー・ポートマンは『白鳥だけど黒鳥になれない』(ブラックな部分、セクシーさに欠ける)という役柄だったゆえに、ミラ・クニスの役をその対極に、セクシーな女性として持ってきたのかもしれない。
ともあれ今回の彼女はとっても強くて、デキる女だった。役柄もヘッドハンターという男勝りな(?)仕事だし。けれども、内面はすごく女性的で実は男の人に自分のことを理解してほしいって渇望してる。
「私ってシンデレラ症候群なの」とか、誘われて一旦は断るのに最後は自分から迫っちゃうところとか…なかなかクセがあるのに頭でっかちな女性をうまく表現していたと思う。共感でもなく、かといって否定でもなく、あこがれともまたちがう、不思議な「等身大」を体してる。「頭の中では」「うなずける思考回路」。逆に言うと、実行はしてないけど、こんなふうな思考をしてる女性は結構いるんじゃないかなという感じ。けど、たぶん男性からすると全然色気がない人に見えるんじゃないかなと思った。ところどころ「少女漫画的な」カットや表現があって、やっぱりターゲットは女性なのかな?と観てる最中に感じてた。


はじめの「NYってどう?最高でしょ?」のたたみかけは、少々大げさではあるけど、要は作中でディランへのプレゼンテーションの場面でもある。転職を促すためのね。それがあからさまな「I♥NYC」であることも、笑い飛ばしてあげるのがベターだと思う。これを見て「NYって世界最高!!!!!!」って本当に思ってしまうのもちょっと危険な気がして。そうはいっても、私も思わず「最高!」と叫んでしまいそうなほど魅せ方がうまい。これは心憎い。実際NYは世界最高の都市なんです。それは揺るがない事実かもしれないね。


ジャスティン・ティンバーレイクは、いままで「かっこいいおとこのひと」としてはあまり認識してなかったけど、実際筋肉あるし目もきれいだし、喋り方とかふくめセクシーでかっこいいんだと思う。この作品に「ソーシャル・ネットワーク」へのオマージュがたくさん含まれているのもあって、「恋するジャスティン」と「ショーン・ジャスティン」のギャップを楽しめる。(ジェイミーの元彼はあからさまにザッカーバーグだし、ジョン・メイヤーシンガー・ソングライター。一番はじめのシーン「traffic traffic traffic!!」なんてセリフも彼を彷彿とさせる。)
歌うたう場面があったのもよかったよね。彼だからこそ。てかなんで靴下はいたままが好きなの?


あからさまなソニー色と、iPadサゲに共感することはむずかしいけれど、そもそもソニー・ピクチャーズだし、映画を好む世代も十分にソニーのマーケ対象っぽいのでかろうじて目をつぶることにしよう。エンドロールのセンスは大好き。


とにかく2人の相性が良くて、見てて惚れ惚れする。そんな楽しみ方ができる映画。
フラッシュモブのわざとらしさ、LAからNYに帰ってきてからの仲直りシーンまではわりと陳腐であるけれど、(途中まで辛口だったのに、いきなり甘口になってしまった)まあうまく丸く収めたというところなんじゃないでしょうか。彼だからこそ、「王子様」もハマったのかもしれない。
ラストの「Kiss me.」がよかった*