Bi-Bo-6

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日常のあれこれ

『ライフ』 - 養老孟司

僕らが学生の時代は悪しき科学主義がはびこっていて、愛という言葉をちょっとでも使うと科学的に根拠がないと怒る先生がいた。

『ライフ』は生殖の行動を愛という言葉に置き換えて紹介していますが、それでいいんじゃないですか。生き物は遺伝子というプログラミングされたロボットと同じかというとそうではない。例えば虫はロボット的な行動をすることが多いけれど、さらに観察していると、どこか自意識みたいなものがあるような気がする。最近の研究では虫は寝るとわかりました。寝るということは起きている状態がある。起きているということは意識がある。九州大学の研究者がミツバチの脳を染色して顕微鏡写真で送ってくれたんですけど、人の中脳の断面とそっくりなんです。もちろん拡大率は違いますが、原理的な構造は同じ。