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日常のあれこれ

ノマドの時代 - 斉藤日出治

ノマドの時代―世紀末のヨーロッパと日本

ノマドの時代―世紀末のヨーロッパと日本

少数民族だけの自立した経済圏を形成することは事実上不可能である。単一民族の自己決定権が排他的な国民国家の形成権と結びつくとき、そこから他民族への容赦ないジェノサイドが生じてくる。もはや大国にみずからを結びつける必要のなくなった諸民族がたがいの権利を尊重しあいながら地域間の経済的・政治的なきずなをいかに築きあげていくことができるのか。これが今後の中東欧地帯の大きな課題となっている。」
「国家を自己目的とし、国家に絶対的な価値をおくマキャベリの国家理性論が現れるのも、この時期である。ヨーロッパはその後五百年にわたって内なる市民社会国民国家として形成しつつ、外に対しては帝国主義植民地主義レギュラシオン様式(軍隊、植民地行政、国際通貨制度)を築きあげていく。ヨーロッパは世界史を決定し、他の諸大陸を左右する経済的・政治的・イデオロギー的な力をもった地政学的空間となる。第二次世界大戦以降に成立する東西二大体制の地政学的空間は、この五百年にわたるヨーロッパの帝国主義的侵略史が生み出した産物にほかならない。」