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日常のあれこれ

NEWSWEEK '11 6.1

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2011年 06/01号 [雑誌]

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2011年 06/01号 [雑誌]

「世界で最も進歩的な安楽死制度を持つスイスでは自殺幇助が認められており、毎年チューリヒだけでも200人近くが自らの意思で命を絶っている。ヨーロッパではオランダ、ベルギー、ルクセンブルク安楽死を容認しているが、外国人にもその機会を与えているのはスイスだけ。回復の見込めない慢性疾患患者など、末期患者以外でも本人が熟慮し、医師の厳しい審査を通れば自殺幇助を受けられる。ただ、そのおかげで外国人が安楽死の場を求めてやってくる「自殺ツーリズム」や、末期患者以外で安楽死を求める人の数が増え、社会問題になっていた。」「1941年から安楽死を認めているスイスでは、「最期の迎え方は自分で選ぶ権利がある」という意識が市民に強く根づいている。「人権には死に方を決める権利も含まれていると思う」」
「欧米人と中国人は、交渉の仕方がそもそも違う。欧米人は課題をいくつかの項目に切り分けて、それぞれの項目を別々に取り扱おうとする。それに対し中国人は1つの大きなゲームプランに従って行動する。」
「若い世代のアーティストやプロデューサーは、純粋さや本物っぽさ、音楽性といったポップスの既成概念を否定することで、従来の限界を越えようとする。」「この新しい流れのおかげで、ロペスに対する従来の批判が的はずれに感じられるようになった。本物じゃない?ケシャのような奇抜なパフォーマーが活躍する今なら、立派な正統派だ。歌が下手?そのために音程補正ソフトがある。歌手というよりダンサー?夏のツアーが華やかになるなら、むしろプラスだ。」

悲しきナルシストを演じれば天下一品 - Ben Stiller's Daddy Issues

 ショービジネス界で25年間も生きていれば、かつて息子を演じた俳優も父親を演じる年になる。だがベン・スティラーのケースは珍しい。25年前に息子役で出演した舞台『青い葉の家』がブロードウェイで再演され、今度は父親を演じているのだ。
 ジョン・グェアによる悲喜劇『青い葉の家』は、65年のニューヨークを舞台に名声の魔力をあぶり出す。動物園で飼育員をしている45歳のアーティは作曲家として名声をつかむ日を夢見、その息子は名声を求めてローマ法王の暗殺をもくろむ。
「アメリカらしい傑作だよ」。リハーサルの合間にオートミールをかきこみながらスティラーはいった。「腹を抱えて笑えるのにどこか暗い空気が流れていて、登場人物たちは残酷に傷つけあうんだ。」
 現代社会のセレブ信仰を鋭く予見している部分もある。「作品の初演は71年。当時とはまったく違う社会を見抜いていたのだからすごい。登場人物は全員有名になって存在を認められなければと焦っている。『青い葉の家』は、ありのままの自分に満足できない人間の悲しいさがを描いている」
 「ありのままの自分」は、スティラーにとって大きなテーマだ。風刺の効いたコメディとシリアスドラマに交互に出演しながら、スティラーはキャリアを築いた。両親ともに俳優という家庭に育った彼は、自意識過剰で図々しいうぬぼれ屋を何度も演じてきた。

「自分のイメージをゆがめる人間は滑稽だし、悲しい」とスティラーは言う。「人には皆、こうありたいと願う自分の理想像とがあり、他人の目に映る自分の姿がある。本当の自分は、その間のどこかにいるんだ」