Bi-Bo-6

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記憶を記録 feat. 宇田川藍

World Value Survey(世界価値観調査)を用いた 実証研究:労働・幸福・リスク

ホフステード(1991)は,国ごとの文化の差異が集団や組織に与える影響に注目し,「人々の考え方はさまざまに異なるが,その背後には一貫した構造が存在しており,その構造を理解すれば,相互理解の基盤が得られる」ことを,IBM 社の 53 カ国の従業員を対象にしたリサーチデータをもとに示している.差異を表わす指標として「権力の格差の大⇔小(上司・部下の行動/意思決定スタイルとその許容度)」「個人主義集団主義(組織に対する自 立性/依存性)」「男性らしさ⇔女性らしさ(給与・承認・昇進・やりがい⇔上司・協力・居心地・雇用保障)」「不確実性の回避の強い⇔弱い(ストレス・規律志向・長期雇用志向 の強弱)」「儒教的ダイナミズム(長期志向⇔短期志向)」を掲げ,それぞれが国ごとに独立的に違うことを示しているが,5 つめの「儒教的ダイナミズム」は,前述のデータセットではなく,中国的価値観調査という異なるデータセットから導かれたものである.先の君塚の指摘とあわせ,中国および儒教国の持つ特異性が議論されており興味深い.なお,「男性らしさ⇔女性らしさ」に関して,日本データは 53 か国中最も男性らしさを強く示し,「不 確実性の回避の強い⇔弱い」に関しても,日本データは 53 か国中7番目に強いスコアを示しており,特異性が指摘されている.