Bi-Bo-6

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日常のあれこれ

NEWSWEEK '11 1.26

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2011年 1/26号 [雑誌]

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2011年 1/26号 [雑誌]

「その鳥たちは欲張りだった。――動物学者のロドルフォ・リドルフィ/イタリアでキジバト100羽の死骸が見つかった事件について、大量死の原因はヒマワリの種の食べ過ぎだったと語って」
「4月29日にウィリアム王子とケイト・ミドルトンの結婚式が予定されているが、ロンドン地下鉄の運転手たちはこの日にストライキをぶつけようともくろんでいる。」
「いま新たな「つぶやき大使」として注目を集めているのが、パキスタンフセイン・ハッカニ大使。テーマは中東の安全保障からウルドゥー語の詩まで幅広い。アメリカなど外国に住む大勢のパキスタン人の若者が彼のつぶやきをフォローしている。彼のつぶやきからは高い教養が感じられる。哲学者キケロなどの言葉を引用、若者に政治参加を呼び掛ける。中東問題の理解が浅いメディアには手厳しいが、対米関係がこじれたときには節度のあるつぶやきをする。先月パキスタン駐在のCIAの責任者が殺人の脅迫を受けて退去する事態になった。このとき、祖国での反米感情の過熱ぶりに公人の立場で最初に警鐘鳴らしたのはハッカニだった。そんなつぶやきなら、外交にも大いに役立ちそうだ。」
「イギリスのヘンリー王子は負傷兵のための義援金を募る目的で、4人の負傷兵の志願者と共に北極を訪れようとしている。リハビリが必要な負傷兵に援助の手を差し伸べる慈善団体に対する支援キャンペーンとして、約320キロの極寒のコースを踏破しようというのだ。陸軍士官の肩書でアフガニスタンでの任務を経験したヘンリーは、同団体を支援している。4月29日にはロンドンで兄ウィリアム王子とケイト・ミドルトンの結婚式が行われる予定。ヘンリーは花婿付添人を務める予定だが、出発日は3月23日で、北極に到着するのは4月25日〜26日になるという。日程が重なりそうだが、ヘンリーは北極行きを実現させたいと願っている。「この冒険は、イギリスが戦場に送り出した人たちに負う「借り」への関心を高めることになる」と、英BBCの取材に応じたヘンリーは語った。「私たちは彼らが払った犠牲に目を向け、感謝し、できる限り借りを返さなければならない」同行する4人の負傷兵は100人の希望者の中から選ばれた。彼らは北極の過酷な自然環境での320キロ踏破という危険に身をさらそうとしている。」
シンガポールの記録破りの高成長が市場を沸かせている。昨年のGDP成長率は速報値で前年比14.7%増と、70年に記録した過去最高の13.8%を40年ぶりに更新。09年は金融危機の影響でマイナス成長だったから、欧米メディアが「爆発的」と形容するのも無理はない。経済活動の約3分の2を占めるサービス業は10.4%、製造業は30,4%も拡大した。電子製品や医薬品が主力の製造業は景気回復した中国や東南アジア向け輸出が、サービス業は昨年オープンした2つの大型カジノ効果で観光業が好調だった。外需依存は言うまでもないが、供給を支えた労働者も多くが外国人。だが金融危機から立ち直れない欧米や日本からアジアの「主役」の座を奪えたのは、紛れもなく国家戦略の勝利。資源なき小国を自覚して、早くからインフラ整備や規制緩和でハブ化を進めてきたおかげだ。「スピード違反」は長くは続かないかもしれない。政府も今年の成長見通しは4〜6%と投資家の過剰な期待にクギを刺す。小国ゆえ、大型建設プロジェクトが一巡して新規案件も当面見当たらない。だがアジア市場が好調な限り、シンガポールの成長神話は続きそうだ。」
「途上国や新興国の貧しい農村部に支店を開設しても、銀行は採算が取れない。そのため、こうした地域では現金を安全に保管する方法が限られている。」「中南米を中心に、貧しい農村部でコンビニや商店街に銀行が支店を開設する動きが活発化している。」
ニコール・ポリッツィ「小麦色になったら、もっとイケててセクシーになった気分が味わえるわよ。一度試してみるべきだって。」
「中国はいつ世界一の経済大国になるのか?ゴールドマン・サックスは、2027年までに中国がアメリカを抜いてトップになると予測している。だが非営利の民間調査機関である全米産業審議会は、物価と為替相場を考慮して出される「購買力平価」を用いた見通しから、早ければ来年にも中国が世界一になると予測している。他国に比べ中国では物とサービスの価格が安いからだ。」「伝統的な中国の経済成長モデルが成立する条件は、アメリカとその他数カ国が課題な消費を続けてくれることだった。これらの浪費大国が稼ぎを上回る消費で貿易赤字を膨張させ続けてくれれば、その需要に輸出で応える中国には貿易黒字が積み上がる。」「設備、住宅、公共投資などから成中国の固定資産投資は今やGDPの50%近くなっている。毎年GDPの半分を固定資産に投資し続ければ、最終的にはどんな国でも防大な過剰設備と不良債権の山を築くことになる。」「中国の個人消費GDPの36%で、アメリカや、インド、ブラジルなどの新興国の約半分だ。

  1. 公的年金に頼れない。退職後の渉外給付額がたった150ドルなので、老後に備えて必死で貯蓄をしなければならない。
  2. 子供を私立校に進学させるための学費が欲しいし、公的医療制度も貧弱なので病気への備えも必要。
  3. 「鉄飯腕(食いっぱぐれがない)」と言われた国有企業による終身雇用は崩壊し、失業した場合のセーフティネットも整備されていない。
  4. 一人っ子政策がもたらした少子化のために、子供たちが老親の面倒を見るという従来の「社会保障モデル」が機能しなくなった。最悪の場合、子供1人で2人の親と4人の祖父母を支えることになり、負担が大きすぎる。
  5. 住宅ローンやクレジットカードなど個人向けの金融サービスが未発達で、消費の伸びを抑制している。
  6. 農村から都市に出稼ぎに来る農民工と呼ばれる肉体労働者は、労働条件が劣悪で地位の保障もないため貯蓄に励まざるを得ない。一方、農村では収入の増減が激しく、都市部のような公共サービスも利用できない。
  7. 実を言えば、平均的中国人の貯蓄率は香港やシンガポールや東アジアのそれと大して変わらない。倹約を美徳とし、所得の3分の1を貯蓄に回す儒教信者である点は共通している。」

「アラブ各国の政権にとって特に衝撃的だったのは、ベンアリ政権崩壊の始まり方だ。昨年末、地方都市シディブジッドで果物や野菜を売ろうとした無職の青年が警察に屋台を差し押さえられ、失業と低賃金に抗議して焼身自殺を図った。そのニュースが広がると同時に暴動も広がった。」
「反対意見を抹殺しようとする暗黒勢力に体育するには、まず基本的な法秩序を強化する必要がある。狂信者たちは決して多数はではないが、極度に声高で、潤沢な資金と武器を持つ。「敵」に恐怖心を植えつけるが彼らのやり方だ。これは非常に大きな効果がある。」
「銃撃事件がフロリダ州マイアミで起きたのは、大恐慌のさなかの1933年。ルーズベルトは大統領就任を2週間後に控えていた。それまでルーズベルトは必ずしも人気のある政治家ではなかったが、この事件を境に人々の見方は一変した。神が何らかの目的のために命を永らえさせた人物――全米がそう見るようになったのだ。」「アメリカの憲法と政治体制は政治的暴力と表裏一体の関係にある。アメリカは武力革命によって生まれた国家であり、ロフナーや過去の暗殺者もそれを意識していた。多くの米国民の祖先が銃を手にしてフロンティアを切り開き、先住民の土地を奪った事実は、アメリカの自己認識の中でも特に重要な「神話」の1つだ。」「アメリカは比較的若い国だ。特に若い男性は、アメリカ人である自分たちが成功できるはずだと今も思っている。現実にそうでないのは誰かのせいだ、となる。」「「怒りと自己嫌悪があふれたら誰かを責めたくなる」と、シュレーダーは言う。「そんなとき著名人が偉大に見え、自分のもう1人の親であるかのような気持ちを(一方的に)抱く。」アメリカの厳しさ以上にそうした心の痛みをさらにえぐるのが、寛容さだ。「民主主義は(社会の)不適応者にとって残酷だ」と、ワシントン・マンスリー誌の創刊編集長チャールズ・ピーターズ(84)は言う。「あなたは何でもできると言われ、実際に成功している人たちがたくさんいる。だから自分が成功できないと壊滅的なショックを受ける。社会の民主化が進むほど、失敗は屈辱になる。」オバマは追悼演説で国民に語り掛けた。「この地球で過ぎ去る時間を生きていく私たちにとって、大切なのは富や地位、権力、名声ではなく、いかに愛されるかということなのです」その温かい寛容精神が、さらには自由と野心、社会の流動性、革新性、個人の孤独が、アメリカとは何かを定義する核心にある。誰を殺そうと、暗殺者たちがこの核心を揺るがすことはできない――アメリカ社会が許さない限り。」
「09年の世界銀行の報告書によると、ペルーの氷河は75年以降22%縮小しており、20年以内に完全に消滅する可能性が高い。そのとおりになれば、今後ますます大洪水が頻発することになる。しかも、山地の氷河がなくなるということは、洪水が去った後に深刻な水不足に見舞われることを意味する。」
「もともとディーゼル車はガソリン車よりも燃費がいい。ただし、硫黄酸化物や窒素酸化物などを大量に排出するのが難点だった。だがここ数年、欧米で排ガス基準が強化されたために、自動車各社は競ってこうした有毒ガスをほぼすべて除去できる技術を開発した。」「ヨーロッパの排ガス規制は14年までに大幅に強化される見込みだ。そうなると、ディーゼルハイブリッド車の成功は、手頃な価格の電気自動車がどのくらい早く市場に出回るようになるかで左右されるだろう。バッテリーのコストがすぐに下がらないかぎりは、究極のエコカーディーゼルハイブリッド車、ということになりそうだ。」
「術後を左右するのは治療法より「どの医師を選んだか」。しかし現状では専門医の実績を調べる方法がない。」
「制作者はロマンチックな役にゲイを起用したら観客が気分を害するのではないかと心配している。一方、ゲイ役を演じたストレートの俳優は、チャレンジ精神が旺盛だとして称賛される。」
「ヨガはイカれたカルト的な修行。それなのに、こんなに素敵な女性がはまった秘密を明かしましょう、という著者の姿勢だ。こうした「自伝的小説」を書いているのは、まさにアメリカ版ヨガがターゲットにしている種類の人々。宗教なんかに縛られないリベラルで中流知識労働者で、運動だけでなく「ちょっとスピリチュアルな体験」を求めている。」