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日常のあれこれ

NEWSWEEK '10 2.3

Newsweek ( ニューズウィーク日本版 ) 2010年 2/3号 [雑誌]

Newsweek ( ニューズウィーク日本版 ) 2010年 2/3号 [雑誌]

巨大な湯たんぽをベッドに入れておくような感じです――ホテルチェーン大手のホリデイ・インの広報担当ジェーン・ベドナル/宿泊客のリクエストがあれば、ホテル従業員がベッドに入って温めておく新サービスについて
携帯メールして。ツイッターして。――キャンディに書かれたメッセージ/一つ一つにメッセージが書かれているアメリカのキャンディ「スイートハーツ」に、「ファックスして」という言葉の代わりに2つの最新フレーズが加わった。スイートハーツはバレンタイン時期の人気商品
新型インフルエンザに関しては、世界全体で莫大な数のワクチンが発注され、各国がタミフルなどの薬の備蓄に走る混乱が起きた。しかし現在では多くの国が過剰発注で頭を悩ませている。「新型インフルエンザは今世紀最大の薬剤スキャンダルの1つだ」」
「企業や労働組合非営利団体による選挙資金提供を制御する法律は憲法に反するという判断を下した。この判断に従えば、企業は大統領選挙や議会選挙で、特定の候補者への支持を表明する広告を好きなだけ作れるようになる。」「ただし、オハイオ州立大学のエドワード・フォーリー教授は、「企業」という言葉の定義が曖昧だと言う。最高裁の判断が外国企業にも適用されるかは分からない。いい例がソニー。本社は日本にあるがアメリカにも多くの株主がおり、ニューヨーク証券取引所でも取引できる。」
「米シンクタンクヘリテージ財団とウォールストリート・ジャーナル紙が2010年経済自由度指数を発表。国民の労働、生産、消費、投資の自由度に応じて世界の国と地域をランク付けしたものだ。16年連続で1位を占めたのが香港、2位がシンガポールだった。注目すべきは、どちらの国も政治の自由度が高くないこと。政治的独立の指標ではモロッコモルドバと同等に評価されることが多く、米人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは先日、シンガポールを抑圧的国家の見本と名指しした。」
「紛争は地獄には違いないが、地獄は健康に悪いとばかりも言えないらしい。ある最新の調査によると、70年代以降に起きたほとんどの武力紛争の期間中、死亡率が実際には低下していないことが分かった。紛争そのものが平均寿命を延ばすわけではない。死亡率が低下している主な理由は、紛争によって貧困国における国際的な人道支援活動に弾みがつき、短期間で衛星状態が奇跡的に改善するような取り組みがなされたことにある。」
ニューヨーク・タイムズが導入する「メーター制」は月間の無料閲覧本数を決め、それ以上は利用した分だけ課金するシステム。ヘビーユーザーから料金を取りつつ、広告の面で重要なアクセス数を確保できる利点がある。」「ただでは読めない情報に人々はついてくるか」
「トルコが正式な加盟候補国と認められた05年までに、EUには「拡大疲れ」が見え始めていた。」
オバマは最低限でも、個人の責任には社会的責任が含まれることを訴えるべきだ。社会貢献(納税も含む)は必ずしも英雄的なものではないことを率直に語ってほしい。譲歩とは対立する両者の顔を立てることではない。より良い未来のために何かを断念することだ。」
「自身で多くの人命が失われたのは痛いが、最大の打撃は仕事が奪われ、企業がつぶれ、経済が崩壊したことだ。外国企業や投資家は、破綻国家には投資しない。そしてその投資がなければ、雇用の創出と経済成長は望めない。そして経済成長がなければ、国外からの支援がなくなったとき、財源となる税収が不足し、新しい制度を持続させられなくなる。」

「少なくともロナルド・レーガンがアメリカの大統領になった81年以降、多数派の意見は決まっていた。肝心なのは全体のパイを拡大すること、そのためには、市場と投資家を規制から解放して自由に利益を追求させる。そして生まれた富は、健康や幸福などと一緒に最終的には社会の底辺まで滴り落ちる。この理屈が間違いだったと証明された今、多くの新理論が新たな主流の座を勝ち取ろうと競い始めている。すべての新理論は多かれ少なかれ、人間は必ずしも合理的に行動しないし、市場も常に効率的ではないという前提に立つ。」「行動経済学は、人々が現実に行う完璧でない意思決定を説明しようとする(例えば、安いガソリンを買うために遠くまで行き、かえってガソリン代が掛かってしまう場合など)」「リスクに対する恐れが利益に対する際限なき欲望を抑制していた時代の銀行業」「製剤学は今、困難だが潜在的に極めて生産的な自問自答と交配の時期に入ったということ。」

「結婚は私たちの地域社会の、そしてこの国の骨格を成す仕組みの1つだ。それは愛情あふれる家庭と、社会的・経済的パートナーシップを築いていこうとする2人の人間をしっかりと結び付ける制度だ。私たちがそんな2人に結婚を勧めるのは、本人たちだけでなく家族や地域社会にも恩恵をもたらすからである。」「保守派とリベラル派は共通の原理に基づき結束するべきだ。家族の強い結びつき、永続的な夫婦関係、そしてその関係を公的に認められた人々の共同体が大切だという点には誰もが納得できる。」

  • フレキシタリアン: 普段はベジタリアン生活を送りつつ、たまにチーズステーキサンドを口にする人

「選ぶだけじゃダメ。信じる道に関わり続けないと。」
「一般にコメディの賞味期限は短いが、サスペンスやホラーは色褪せない。人間が恐怖を覚える対象は原始時代かは変わってない。だからヒッチコック作品は他の名画と比べ、時代に左右される部分が少ない。」
ビクトリア女王は10年以上も陣痛と産後鬱に苦しみ(9回も妊娠を経験した)、赤ん坊は醜くカエルのようだと言うまでになった。夫には、出産に伴う犠牲と消耗を理解していないと何度も訴えた。彼女は後に、娘に対してこう書き記している。「私はとても苦しかった。きつく押さえ付けられ、羽を抜き取られ、自分が半分奪われていくように感じた。女性など、羨まれるような存在ではない」」「彼女が夫に政治関係の仕事の多くを任せたのは、弱さの表れか従順さ故と思われている。だが実際は、懸命な判断によって事務的作業を委託しただけだ。妊婦でいる期間が81ヶ月もあったら、私だって仕事の一部を夫に任せる。」「女性は肉体的にも道徳的にも夫の奴隷だ。それはとても受け入れ難いことだ。幸せそうにはしゃぐ自由な若い女性を見るにつけ、若妻の多くが追いやられる苦しみに満ちた運命は結婚したことに対する罰にしか思えない」



「「高尚な文化」と「大衆文化」の違いを語るとき、全車は解釈を必要とし、後者は気軽に楽しめるものだと言いがちだ。小説家や芸術家、音楽家や映画監督は作品に単純な娯楽を超えたなにか深い意味を込めているものだと考えられている。カフカの『変身』が、ある朝目覚めたら虫に変身していた男、という単純な話ではなく、自己疎外を隠喩しているように。こうしたメタファー探しは、文芸理論の授業を受ければ誰でもできるようになる。でも、そうすることで作品をより一層楽しめるようになるというわけではない。作品を評価する際、何よりもまず隠された意味を探し出そうとすると、文章自体が持つ力を見落としかねない。作家で批評家でもあった故スーザン・ソンタグはかつて「解釈とは台無しにすることだ」と断じた。芸術を楽しむ最良の方法は分析したりひもといたりすることではなく、文字どおりありのままを受け入れることだと。」
「理解しにくい作品や極めて挑発的な作品、既存の規範を覆す作品を送り出すアーティストは賞を受賞しづらい」「私たちはセレブをあがめることの浅はかさを認識し、アートを金持ちと有名人のステータスにシンボルにとどまらない、もっと幅広いものとして位置付ける発想を広め続けるべきである。」(カリフォルニア芸術大学ワティス現代アート研究所のイェンス・ホフマン所長)「芸術について、そして芸術と世界との関係について、社会の幅広い層を巻き込んだ議論を起こせること――ターナー賞の持つ本当の力はこの点にある。見る人に衝撃を与えることや貧しいアーティストをたちまち大金持ちに変身させることではない。」


テリー・ギリアム監督『Dr.パルナサスの鏡
―映画製作にコンピューター技術は欠かせないが失ったものは?
 これまで難しかったイメージを映像化できるという点で、コンピューターには感謝している。だがそれに頼り過ぎて作品が多過ぎる。確かに『アバター』の映像は美しいが、ストーリーは目新しくないし想像力を刺激されない。物語に入り込む余地がないんだ。私ならすべてを説明しないで、観客を迷路に誘い込むさ。