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日常のあれこれ

NEWSWEEK '10 9.29

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2010年 9/29号 [雑誌]

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2010年 9/29号 [雑誌]

「先週、韓国の全国経済人連合会は、南北統一に掛かるコストはおよそ3兆ドル、つまり東西ドイツの統一時よりも1兆ドル多く掛かると試算した。その違いはどこにあるのだろう。東ドイツソ連の衛星国の中で最も孤立して抑圧されている国だと考えられていた。北朝鮮の孤立度と経済の落ち込みは、当時の東ドイツよりも大きい。北朝鮮の5歳未満の幼児の3分の1は栄養不良。93年から08年までに死亡率は子供でも大人でも30%ほど上がっている。」「現在の韓国には2つの選択肢がある。1つは北朝鮮を援助しながら金体制がゆっくりと息絶えるのを期待することだ。急激な崩壊は混乱を引き起こしかねない。政権崩壊後の難民流入を恐れる中国は、この道を選んでいる。ソ連に対抗したレーガン流の道を行く手もある。もちろん交渉や対話は続け、双方にプラスとなる合意はできるだけ結ぼうとする。一方で、相手には責任ある講堂を求め、野蛮で危険な政治体制の正統性には真っ向から意義を唱えるのだ。」
「最大の変化は、キャメロンが首相の座にありながら余裕を感じさせることだ。「遠大な影響をもたらすような方策を考えていても、イデオロギー的にも偏向的に見えない」」「キャメロンに言わせれば、国家の存在が大き過ぎるために、個人の責任感がむしばまれてきた。キャメロンは、個人が自分の人生に責任を持ち、周囲を手助けするような社会に戻したいと考えている。「人は責任を取る自由を与えられたら、自分で物事をやり遂げるようになって新しい活力を得るだろう」と、彼は言う。具体的には、さまざまなことを変えて権力を分散させる。〜政府による甘やかしも切り捨てることになるだろう。意味のある予算削減は、最初は必ず評判が悪いものだ。ならばいっそのこと、継続的な変化を生むような改革を行えばいい。最も痛みを伴う部分が早く終われば、次の選挙までに国民が痛みを忘れる時間の余裕ができる。そのころには「大きな社会」の起訴が築かれているだろう。」
ニック・クレッグ副首相 自由民主党「首相と副首相が別々の政党に属していて、国益のために力を合わせようと努めるときは、普通よりむしろオープンでストレートな政治が行われるのだと分かった。」
「トルコ外交の指針は、イスラム教がどうこうというより、産業界の利害によって決まっている。「トルコの経済成長の源は、ヨーロッパではなく、ロシア、中央アジアペルシャ湾岸諸国だ。トルコが西を向いているのは、(経済上の判断であって、安全保障上の)判断ではない」」


「いったいティーパーティーとは何者で、何を求めているのか。さまざまな調査や集会の参加者を見る限り、この運動の中心となっているのは「大きな政府」を嫌い、社会の変化に敵意を抱く中流層で中年の白人男性だ。」「ティーパーティーの特徴は、そのアナーキーな性格だ。彼らはあらゆる権威に敵意を示し、いつもけんか腰の言動を取り、自分たちが非難する政策に対して建設的な代替案を示すことはない。」「彼らは資本主義と憲法が絶対的だった時代を懐かしむ(言うまでもないが、そんな時代があったことはない)」「極端な憲法原理主義を唱えるグループは、独立戦争時代の軍服を着て、パレードに繰り出す。彼らの主張は、連邦政府の役割を憲法の文面どおりに制限して、それを超える法律は州政府が無効にせよということだ。(この考えは19世紀初めに連邦最高裁判決で否定されたが、それは無視らしい。)」「ノスタルジーと怒り、そして現実に対する拒否反応は、自分の居場所を失うことや、国の指導権を誰かに譲ることに対する不安の表れにほかならない。」「歴史家のリチャード・ホフスタッターはかつて、ポピュリズム大衆迎合主義)を動かすのは「自分たちの地位が失われるという不安」だと述べたが、それがこれほどぴったりくる運動はない。」


「一方、政策論争はいまだに時代遅れの経済理論に支配され、国を分かつ議論を巻き起こしている。〜市場は常に政府より効率的という見方だ。財政支出を支持するのは社会主義者で、市場万能を奉ずるのは自由放任主義者かウォール街の奴隷たち。互いに妥協点はない。」「かつて金融は、実体経済の成長という最終目的を達成するための手段だった。銀行は製造業やサービス業に仕える存在だった。今は金で金を生む金融そのものが目的になって、事業会社も株価を上げることに血道を上げている。」「最近の歴史のどこかの時点で、金融機関は自らの本来の存在意義を見失ってしまった。金融はそれ自体が命を持ち、利己的な目的を追求し始めた」「経済学者もジョークの種だ。彼らのよりどころは、自らの利益を最大化するよう動機付けられた人々が合理的に行動するという、極度に単純化されたモデル。そもそも、そのモデルを作った当人たちの行動がまったく合理的でないのは大いなる皮肉だ」「その一方で、正当な学説から乖離することに対して前よりずっと不寛容」「経済学者が陥っている危険な文化パターンの1つは、化学的結果ではなく定理証明のための証明を過度に重視することだ。」「過去数十年ウォール街で「金融革新」がはびこった大きな原因は、経済学が新古典派の思想に支配されたことにある。つまり市場とは理性的に振舞うものであり、それ自体の力で均衡状態に到達できるという考え方だ。これが07〜09年に起きた危機の直接的な引き金になった。新古典派の理論に従えば、金融商品がどれほど実態不明で複雑になっても、市場は本能的に安定性を備えているため暴走しない。主にこうした考え方のせいで、特にソ連崩壊ので計画経済と国家統制への信頼が崩れ去った後、政府の市場への介入は規制でさえも異端と見なされるようになった。」「人間は往々にして理性的には振舞わない。現実の世界に均衡は存在しない。そして何より市場経済は自らを崩壊させる力を持つ。この事実がとりわけ当てはまるのが金融だ。」

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シングルマン』は完結した小宇宙の中で、大きなテーマを投げ掛ける。愛と死、そして今この瞬間を生きる難しさと必然性だ。