Bi-Bo-6

Bi-Bo-6

日常のあれこれ

ウォール・ストリート - オリバー・ストーン監督

"WALL STREET -MONEY NEVER SLEEPS-"
2010/アメリカ/英語


出演
マイケル・ダグラスシャイア・ラブーフ


"IS GREED GOOD?"
人と人とが交差して
感情とお金がイコールで動いて、
時間が置き去りにされていく。


★---
マイケル・ダグラス、名前だけ知ってるおじさんだったけど、とってもすてきでした。ゲッコーおじさんの返り咲きはとっても痛快。


映画として「the 3.5」みたいな作品。可もなく不可もなく、嘘と実際の2008年が混ざり合いながら進んでいく。(私は'87の前作を観てなかったけど、そっちも早く観たい)
音楽、カメラワーク、映像表現、どれも平均を少し超えているくらい、要は優等生な作品なんだなって思います。ただ単に私がフィンチャーみたいなの好きになりやすいだけかもしれない。



エンディングの音楽は'87公開当時と同じものらしい。どうりで「なんか古いぞ」と思ったわけ。


ジェイコブの「あと一歩 常に惜しい」感じがなんとも言えない。だって物語が始まった当初から「見た目は出来る男」どまりになってしまっていて、実際に取引が成功したシーンがないんだもの。ワンさんの話も持って行かれちゃったしね…今の地位を築くまでの、証券マンエピソード
あとFrozen truthに端を発する噂のばらまきも、ほわほわと展開しすぎて現実味が薄いなーと…実際物語としてはおもしろくなったから構わないのだけど。これもまた単純に私がwebに口うるさいだけかも知れないし。
その一方で、「うわさ」の伝播で大金が動く恐ろしさみたいなものは分かりやすく描かれていたと思う。


はじめの方、電話口の会話で「よせよ」が「Witch girlfriend,」だったのがちょっとおもしろかったです。なるほどごまかし。あとはゲッコーの「証券マンはリスクが好きだな」ってセリフが好き。


おかしのおまけのリングをはめているのは何の映画のオマージュなんだろ。見かけた気がするよ。同じNYが舞台とか?


この映画は「お金は眠らない」のサブタイトル通り、人がお金や欲望にとりつかれる「渦」を描いているとみるのがおそらく王道で、それもあってか教訓めいたくだりがあまりないのが印象的でした。私がヒューマン系の映画を好きなのもあって、「ちょっといい話」ばかり観てきたから、かもしれないけど、サスペンスでもなく、ヒューマンでもない、かといってSFやファンタジーでもなくわりと(現実の経済動向を引用しているだけあって)身近に感じられる内容…それって不思議なお話。


率直に言うとラストは「うーん都合がいいおじさんだなあ」という感じ。なんとも自分の欲望に忠実な部分では共感できるんだけど、あの判断は涙を流してキスをする展開か?って思った。あれはハッピーエンドなのか…?取引が成功したということなのか…?って考えてしまう。


ゴヤ破らないでー!って思ったり。カメラは地下鉄でのシーンが好き。ゲッコーおじさんとジェイコブが話してるところ。なんでも「取引」にしちゃおうっていう職業病も好き。
あんまり散財してるシーンもないし、一応美女が踊るシーンはあっても、まあまあって感じ。お金の使い方というか「ニューヨーカーライフ」というものがいい意味で「古風」だったように思う。そういうところに監督の年齢とかが表れるのかなってちょっと感じました。


実際にマネーゲームで奮闘してる姿をみたいのならデイトレーダーとかが主役はってた方がキャッチーなのかな?ジェイコブ、そしてライバル関係にある2社の社会的影響力がわかりにくいな、と思ってしまった。もちろん次世代エネルギーや中国の投資企業…みたいな個々のマテリアルとしては理解できるんだけど、彼とCNBCのニュースがいまいち結びつかない。


リスクを好むとか、取引を持ち出すとか、いつまでも不動産売買に凝るお母さんとか、他にもエスプリのきいたセリフがあったりして、くすくす笑いながら観れるっていうのは隠れた評価ポイントかも。音楽(歌入りの曲)もなんだか明るめで、びっくり。なんだかんだで最初のすっごくラブラブしてるシーンが一番好きかもしれない*