Bi-Bo-6

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日常のあれこれ

COBS 2010 October No.024

複眼思考の経済ウォッチング 八目ヤマガタ。 山形浩生

[第2回]中国とどう付き合うべきか。

 中国がらみの話は最近特に多い尖閣諸島問題に集中してしまっているのでアレだが、その直前に中国のGDPが日本を超えたというニュースが流れたのをご記憶の方も多いだろう。
 このとき、世界経済の構図が変わるとか経済の覇権がどうのとかいうニュースが流れたが、正直言ってこれ自体は大した話ではない。なんといっても中国の人口は日本の十倍。一人当たりの豊かさが、やっと日本の十分の一になったか、というだけのことだ。物価の安い中国では、同じ所得で実際に買えるものは日本より多いが、購買力で見ても一人あたりは日本の五分の一だ。さらに、経済成長が著しいが中国全体が豊かになっているわけではないで、貧しい地域はまだまだ本当に貧しいのが現状だ。かれあがそこそこ豊かになることは、人道的な意味でも重要だろう。
 また、しばしば人が誤解することだれけれど、経済はゼロサムゲームではない。中国が豊かになったら日本はその分貧しくなるというものではない。むしろ中国が豊かになれば、その分日本のものも買うようになる。経済に勝ち負けはないし、お互いにありがたい話だ。中国の経済発展は別に恐れることではないだろう。
 とはいえ、中国を見ているといろんな局面で日本が圧倒されていると感じるのは事実だ。彼らは押すところではなりふりかまわず押してくる。アフリカで、地元の商業を含め各種の事業を中国人が抑えているのを見ると、なんだか中国人にすべてを奪われるような気がしてしまうのも無理はない。
 しかしその勢いには理由もある。中国人は本腰を入れて現地に移住し、地元の人をしっかり雇用し、ガシガシと商売を進めるのだ。そこまでの入れ込み方をしている日本人が今、何人いるだろう?さまざま分野で中国人が存在感を強めているのは、彼らの十分な気合いの証でもある。
 国内では人材育成に力を入れている。裾野が広いだけにトップの優秀さはすさまじいものがある。政治だって、強硬だが腰がすわっている。突っ張るところは突っ張るし、押せるところは図々しく押せるし、ブラフも開き直りも使える。やられる側としてはおもしろくないが、日本の政治家の弱腰無策ぶりを見ると、中国の半分でも気概があれば……、とつい思ってしまわないだろうか。
 産業の導入も戦略的だ。かつて中国は、日本のあらゆる製造業を受け入れ、貪欲に技術を吸収した。ごく単純な消費財から家電、車と進み、あれこれなだめすかして新幹線を入れさせ、その技術を見事に、図々しくコピーしおおせている。「単なるコピーだ」とけなす人もいるが、技術をコピーすることは簡単なことではない。日本車の優秀さを何年も見ているくせに、アメリカは日本車に匹敵するものを未だに作れない。中国はそれだけの技術を身につけている。特に電気自動車の技術では中国オリジナルの部分も生まれるんじゃないかとさえ言われる。
 本当であれば、日本は技術革新を進めて、中国がコピーを完成させる頃には、コピーされたオリジナルをはるかに置き去りにするレベルになっているべきだった。だから中国のコピーを脅威に感じるのは、それができなかったことに対する弁明でもあるのだ。
 むろん、特に隣国として中国のやり方は頭にくることも多い。経団連のように、とにかく中国とは穏便すませてケツなめに徹しろというつもりもない。日本としても、政治的にもっと主張すべきところは主張すべきだろう。ただ、勇ましいことを言うだけで満足しないでほしい。中国を見て、許せないとか人権はどうなっているんだとか言うことは簡単だ。でもその一方で、彼らが上手にやっていることは認め、よく見て真似できるところは真似しなくてはならない。さっきも言ったけれど、今の中国が脅威に思えるのは、日本が進歩しなかったことの裏返しでもあるんだから。
 そして、中国がやっていることの多くは、実はかつての高度経済成長期の日本の真似でもある。それをあらためて学び直す必要があるんじゃないか。

短所は、それがよほど致命的なものならば話は別だが、あまり頓着する必要はない。短所を何とかしようとしたところで「人並」になるのが関の山だからだ。それでは顧客に評価されない。顧客が評価してくれるのは常に長所だけなのだ。それに、短所を克服しつつ長所を伸ばそうとすれば、リソースが分散し、虻蜂取らずの結果に終わるだろう。

「いいえ、すべての人は自分自身のリーダーです。」

顧客の視点を通じて成功を定義する「外部志向」。複雑な問題に対して簡潔な解決策を求める「明確でわかりやすい思考」。革新的なアイディアを創造する「想像力」。シームワークを尊重する「包容力」。豊富な経験によって築かれる「専門性」。
「決断力と実行能力の最高の教師は、ビジネス最前線での戦闘だ」

  1. 取り組みの先にある成果についてイメージできている。/やり遂げた時にどのような成果があるのか。ゴール地点はスタッフ全員で共有するべき。
  2. 常に吸収、学習する姿勢をもっているか。/変動する環境、状況に対応するフレキシブルな人材でなければ、共感は得られない。
  3. 上司との関係性は良好に保てている。/ミッションを正確に伝達するために、上層部との意思疎通は不可欠だ。
  4. 部下や後輩の近況を把握できている。/公私を問わず、問題の発見は早期がベスト。これはコミュニケーション次第で解決できる。
  • チーム内の個々人の目標は、明確化されている。/各自が目指すものを理解し、時には早期達成のためのバックアップ体制作りを。
  1. 自信のタスクのみにとらわれず業務全体を俯瞰する視野がある。/目先ばかりにとらわれず、時には事業全体を見渡すことができる能力は不可欠。
  2. 業務の課題を発見し解決する能力に長けている。/今、何が問題でどうしたらいいのか。現状の課題を洗い出し解決するスキルがあるか。
  3. 深いコミュニケーションをするための説明能力を備えている。/高邁なビジョンをもっていても、それが組織として共有されていなければ意味がない。
  4. 失敗経験を糧に経験値として生かすことができる。/「失敗は成功の元」。経験は蓄積させてこそ成長につなげることができる。
  5. 他人に委ねるばかりではなく自身で解決する習慣を持っている。/的確な判断をすることが求められる。そのために材料となる情報収集能力も必要とされる。
  6. 過去の成功体験に固執せず変化を柔軟に受け入れることができる。/現状に甘えることなく常に変化を意識する。保守的でないか常に自身に問うべき。
  7. 実行するための道筋を描く戦略的思考を持っている。/組織としてスタートからゴールまでになにをすればよいか、道すじをデザインする力。
  8. リスクを冒す勇気を持っている。/時には軋轢を恐れない行動を取れるか。反対意見にも主張することはできているか。
  9. 批判に耳を傾け積極的に人の意見を取り入れることができる。/他の意見を取り入れない、独善的なリーダーシップに人はついてこない。
  10. 組織をつなぐ調整能力に長けている。/目的を達成するためにはさまざまなセクションを巻き込む力が必要とされる。

ビジョン目的/コミュニケーション伝える力/エグゼキューション遂行力
ダイバーシティ(多様性)10のスキルを持ったそつなく兼ね備えた人材よりも、突出した武器を備えた人材を複数集めたほうが、強い組織が作れるというのが持論だ。