Bi-Bo-6

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記憶を記録 feat. 宇田川藍

iida NEW PRODUCTS 2010 / No.3

http://iida.jp/
http://iida.jp/products/x-ray/

innovation ほんの小さなひらめきでも、毎日を一変させる進化のきっかけになる。
imagination 作り手の想像力は、持つ人の想像力に負けていないか。
design 人とをしあわせにできるカタチだけが、いいデザインである。
art いちばん身近なものにこそ、作品という概念を。

日本には古くから万物に紙が宿るという言い伝えがありました。
現代社会に生きる私たちは、信仰として意識はしていませんが、道具の持つ昨日を利用するのはともかく、
道具自体に友人のような関係性や一体感を築こうとする行為は、道具に宿る紙を無意識に感じているからでしょう。
もちろん携帯電話にも同じ事が言えます。
外国人は携帯電話を通話やメールを通して友人と繋がるための道具と考えていますが、
日本人はさらに携帯電話自体にまるで人格があるかのように接します。
デコるとか、ストラップを付けるのも愛着の表現手段にみえます。


また、携帯に付けるストラップなども海外の携帯電話にはあまり見られない傾向といえます。
これは、江戸時代の人々の姿を見ると分かります。
着物にはポケットが無く、煙草や薬などの携帯品を持ち歩くときは、
そのケースを根付というクリップの役目のようなものを帯に引っ掛けました。
目につくものであるためファッション性が高まり、様々なデザインが生み出されました。
この携帯品のファッション化が現代の携帯電話とストラップの関係性に繋がっています。


さらに、絵文字や短いメール文章で風情や感情を伝えるのも、古くから日本人が短歌や俳句を巧みに表現手段とし、
伝える側も伝えられる側も、その文章の行間を読みながら、相手の気持ちを理解し合うことに長けて
いたからといえます。


つまり、日本における携帯電話の文化は、現代に突如として現れたものではなく
古来から続く日本文化のレールの上を脈々と受け継いで来た延長線上にあるのです。
携帯電話文化が日本だけ独特の進化を遂げたのも、こういった歴史背景と日本文化の影響が関係しています。
それをふまえ、iidaの取組みである機能を超えたデザイン性アート性、ライフスタイルに根ざした周辺機器やアクセサリーの開発、
デジタルコンテンツや五・七・五の言葉を音楽にするiida callingなどを観ていくと歴史と日本文化との合致点が見てとれるのです。


そして今回、信仰、コミュニケーション、ファッション、美術、デザインなど受け継がれている日本文化を、
TEAM LABのアートワークによって映像インスタレーションにしました。
現代社会と歴史との接点を皆様ひとりひとりに感じていただけると幸いです。


インスタレーション:TEAM LAB
解説:glyph 柳本浩市