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日常のあれこれ

一気にわかる民族と紛争―世界を読み解くキーワード - 江波戸 昭

一気にわかる民族と紛争―世界を読み解くキーワード (図解i読本)

一気にわかる民族と紛争―世界を読み解くキーワード (図解i読本)

p18「帰属意識を同じくする要素として最も重要なキーワードが「言葉」ということです。同じ土地・国に住んでいるだけでは同じ民族とは言えません。同じ国籍である、とは言えるでしょうが。同じ言葉を話し、帰属意識を持つ集団が「民族」としてとらえられています。」
p56「トルコ人は日本人と同じアジア系の民族です。〜天山山脈を西に越えたのが1000年前ごろです。天山山脈の両側にトルコ人がひろがったので、かつてこの地はトルキスタンと呼ばれました。その後、ソ連崩壊にともなって、トルキスタンには「スタン」が語尾につく、ウズベキスタン等の国家が誕生しました。」
p71「ユダヤ人国家イスラエル・アラブ人国家パレスチナ」「エルサレム(国際管理地域)」

p87「パキスタンとアメリカは友好関係にあった→そこで、アフガニスタンソ連と友好関係を結んだ」
p103「スリランカ紛争=宗教の違い」「北にいるのはヒンズー教徒のタミル人、南に住むのが仏教徒のシンハラ人」
p122ミャンマーについて「イギリスは植民地経営の方法として、少数民族を優遇し、軍人・警察官・教師・公務員などに登用します。こうして、イギリス人→少数民族→多数民族という命令系統のピラミッド構造をつくり分断統治しました。」

p196「20世紀前半、アメリカは「人種のるつぼ」と表現されました。しかし、前述したようにアメリカでは混血は進行しませんでした。なぜなら、アメリカへの移民は家族を伴っていたからです。さて、移動するとすぐハーバード大学をはじめ高等教育機関を整備しました。本国イギリスの議会制度にならって植民地議会もつくりました。独立戦争勝利の背景にはこのようなイギリス本国の伝統を「移動」させたことを見逃せません。20世紀後半、アメリカは「人種のサラダボウル」と表現されました。各人種・各民族が独自性を保ちながら、なおかつアメリカ人として一つの国家の中にあるという考え方です。ただ、「人種のサラダボウル」という表現は、英語を共通の言葉としながらも、ついに「アメリカ民族」が誕生しなかったことも意味していると言えます。21世紀、アメリカを「ハイフォネーション国家」と表現することがあります。これはアフリカ系アメリカ人、イギリス系アメリカ人、ユダヤ系アメリカ人、日系アメリカ人など、「系(-:ハイフン)」で一体感をもつ各民族が、民族独自の文化を守って生きている。それとともにアメリカという国家の危機に際しては「アメリカ国民」として一体感をもつ人々の集団であるという意味なのです。」